その2

暗闇の中を一人ぼっちで飛ぶというのは恐ろしいものである

離陸後まずは目標を見つけようと周辺を見渡すが灯が点在していて、どれが自分の設定した灯なの全くわからない

ヤバいこのままでは機位を失って基地に帰れなくなってしまうのではないか

そういう考えが頭に浮かんだとたんにうろたえてしまった、どうする?

書いてしまえば大したことも無いように思えるが、実際はその時点でパニック状態に陥りかけていた

 

人は緊急事態に陥るとどうしようと考えるが実際には何も考えていない場合が多い

どうしようとは思うが対処法を何も考えていない状態、すなわちパニック状態に陥り何も出来ないことになる

 

幸いにもその時は自分がパニックに陥りかけていることに気が付き自分を落ち着かせることができた

 まて、見えないだけでいつものところを飛んでいるだけだ、もっと高度が上がれば博多も北九州も見えるから問題ない

そう自分に言い聞かせて落ち着きを取り戻し予定通りにフライトを終えることができた

 

この体験は今でも生きている

 

いずれ書くことが有るかもしれない体験を、よくそんなに落ち着ていいられたねと言われたことがある

命の危険がある緊急事態だったのだがきっとこの時の体験が役に立っているのだろう