続き
自衛隊を退職し後は浜松で前に書いた所長のもとで車の営業をしていたが、そんなある日懐かしい男から連絡があった
それは浜口からでもうすぐ浜松を卒業するので、その前に飲みに行きましょうという事だった
退職した私をおぼえていて浜松を去る前に一緒に飲みたいと誘ってくれたことにこみ上げるものがあった
飲みながら色んな話をしたのだろうが、その時のことは思い出せないが帰り道でのことは今でもはっきりと思い浮かべることができる
じゃあ元気でな
各々の帰る方へと向かい歩き始めた私の後ろから浜口が大きな声で呼び止めた
先輩!
振り向くと何やらかしこまっている
なんだ
俺はブルーインパルスに入ります
当人はかしこまっているが何だかほほえましくみえる
浜口の隣には一緒に来ていた同期生(名前は脇田だったと思うが彼も私にはよくしてくれた)も驚いた顔で見ている
きっと彼はそれまで私に言ったことは無いがブルーインパルスに入りたくて航空学生に入ってきたのだろうと思う
おう、頑張れよお前ならきっと行ける
はい、頑張ります
人の情熱に触れるとこっちまで胸が熱くなる、おかげで私が見送るはめになってしまった
俺はやるぞ、必ずブルーインパルスに入る
そう叫ぶ姿を見たのが最後だった
事故のニュースを見てクラブチームを辞める気なっていた気持ちはすっかり消し飛んでその後何年も続けることになる
浜口、お前は本当にブルーインパルスに入ったんだな