芦屋へ

無事に?初級過程を終了するとレシプロのT-34からジェット練習機のT-1のある芦屋へ行くことになる

 

思い返せばこの芦屋での訓練か一番充実していたのではないかと思う

 

前にも書いたようにそれぞれの学生に、通常は学生二人に教官一人。

劣等生だった綿の事を心配して(そう言っていた)コマンダーが直々に担当することになった

 

実に熱心で情熱のある人だった。

のちにかなりの迷惑をかけることになるのだが、教官が退職して年金を受け取る年になった今でも年賀状のやり取りは続いている

 

訓練で教官が一番興奮するのがランディングの時だ。

何故なら私は相変わららず着陸が下手で教官が怒鳴りまくることになる

 

着陸訓練では何度もタッチアンドゴーを繰り返すのだがそのたびに同じやり取りを繰り返す

「そうだそこだ、引け、引け、引け~」

耳にガンガン響いてくる

さらに離陸して上昇をし始めると

「おまえは~あれほどなんたらかんたら」

と追い打ちが始まる

そのあとは

「ハアハアぜいぜい」

と決まって苦しそうな息使いが聞こえてくる

 

はじめのうちは多少は委縮もしたが何度も繰り返せば慣れてしまう

そうすると教官の大声に負けないように私も大声になっていく

接地すると同時にスロットルを吹かして離陸体制に入り接地と同時にスロットルを吹かして離陸体勢に入り

タッチダウン、OKレッツゴー」

と言わなければいけない

私のそれはほとんど叫びと言っていいものだったらしい

 

タッチアンドゴーはまずタワー(管制)に

 「芦屋タワー、リクエストタッチアンドゴー」

とリクエストしたのちに行うのだが、そのコールも相当なものだったらしい

ついにはタワーとの通信はすべて怒鳴っているようなものになった

 

飛行場にはモーボという地上から観察して必要な時にはアドバイスをする教官がいる小屋のようなものがある

 

ある日そのモーボにいた教官が訓練を終えた教官が

「お前が帰ってくるのはすぐわかる。どんなに眠くてうつらうつらしていいてもビックリして目が覚めからな」

と怒ったように言った

 

その場にいた全員に爆笑されたわけだが

教官殿、それは私のせいではありません