準母校

先日テレビで私の準母校があるスポーツの全国大会での活躍を放送していた

準母校というのは母校ではない

同じ敷地に2つの高校があって私の母校の進学校と伝統あるスポーツ強豪校が同じ校舎の中にある

放送を見ながら見ながら思い出したことを一つ

 

同級生にヤクザの息子が一人いた(Nとする)

ヤクザはヤクザであってチンピラではない

組長(地方ではあるが)の息子という本物のヤクザの息子で一緒に寮生活をしていた

Nとは出身地が近く(車で1時間程度)それなりに親しくはあった

 

寮生はほとんどが週末は帰省し、日曜日ともなれば寮にいるのは私のような遠方地の出身者ばかりになる

がらんとした寮の自室にNがやってきた

「付けの利く店があるんだけど奢るから飯を食いに行こう」

少しでも節約したのだから当然の事ながら行くことにした

 

着いたのはハンバーグ専門店で高校生の私には願ったりの店である

椅子に座るとNがこう切り出した

「やばい、経営者が変わってるみたい」

いまさら何を言う

奢ってもらう事を期待していた私はガッカリしながらも、仕方ないことだと思い立ち上がろうとすると

「どうにかなるからめず飯を食おう」

とNが言った

祖所で帰ればよかったのだが飯につられた私はNに任せることにした

 

さて会計はどうなったのか

 

食事が終わるとNは店の人に電話を借りてどこかに電話をした

私が見ていると

「すみません、電話を替わってもらえますか」

と店の人に受話器を差し出した

電話に出たその人は

はい、はい 

と言うばかりである

 

受話器を置くとその店の人は

「結構です、どうぞお帰り下さい」

と私たちを丁寧に店から送り出した

 

その日に心に決めたことが有る

 

Nとは二度と食事にはいかない