二匹目のドジョウはいない

今どうなっているのかは知らないが当時の防府はパチンコ屋が多いので有名だった

ほかの地区のパチンコ屋の閉店時間がほかの地方より1時間遅かったことでも防府の人気レジャーであることがわかる

 

のちに私もパチンコにハマる事になるがそれは機会があった時にするとして、休日には数時間パチンコをすることが有った

 

パチンコというものは1時的に勝つことはあってもトータルで行けば負けるのが当たり前である

そうでなければ商売として成り立つはずがない

まだ地上教育の時代の話であるが、休日は最終バスで基地に帰ることがしばしばあった

余談だが出掛けるときはタクシーに乗り合わせていく

それはバスより安く済むというの理由もあるがパイロットは他の隊員より俸給が高いのだから見栄を張れという教えもあった

他の隊員が航空学生がバスに乗っているところを見れば俸給が高いのにバスを使うせこい奴と思われるからだという事だ

穏当かどうかは知らない

 

その日持ち金を使い果して(1週間で使えるお金は決められている)バス停についたのは最終バスの1時間前だった

一緒にいた同期と待っていた時に近くのパチンコ屋を見て面白そうなことを思いついた

 

「おいどうだ、一つ二人のバス代を合わせてパチンコで勝負して勝ったらそこの喫茶店でコーヒーを飲んでタクシーで帰る、もし負けたら歩いて帰るというのは?」

 

一緒にいた同期は思いもよらず二つ返事で私の提案に乗ってきた

若かったのかバカだったのかそのどちらもだったのか、それこそワクワクしながらパチンコ屋に入っていった

 

結果は二人分のコーヒー代とバス代に増えたところでやめて満足感を溢れさせてバスで基地に帰ることができた

もちろん次に同じことをしたときには二人でトボトボと4キロの道を歩いて帰ることになったのだが

それ以来コーヒー代を賭けたパチンコをしたことは無い

 

柳の下に二匹目のドジョウはいない