やらかす
浜松ではそれまでより訓練も高度になりそれまで感じなかった自分の問題を突き付けられることが多かった
結局、浜松が人生の転換点だったのかとも思う
ある日のソロフライトでのことループ(宙返り)に入った時、操縦桿からドドドと振動が伝わってきた
T-33は翼の付け根に翼全体より強い後退角がつけてある、そうすることで迎え角が大きくなりすぎた場合につけ部分が最初に空気剥離が起き(失速する)高速での失速を警告してくれる
操縦桿を引きすぎたと思い引く力を緩めると振動は収まるが再び引っ張るとまたドドドとしんどが始まる
これでは緩いループになり本当に失速してしまうと思った瞬間ある事を思い出した
しまった、またやらした。T-1の時と同じく速度計をしっかり確認せずに100ノット遅い速度でループに入ったに違いない
とっさに機体を背面に入れたがもう遅かった
速度計の目盛りはどんどん落ちていきとうとう0付近でゆらゆらと揺れるだけだった
元々大雑把で迂闊なところがあるのは自覚していたがまさか同じ失敗を繰り返すとは
この失敗で自分の甘さというか性格的に問題があるのではと考え始めるきっかけになった