備えあれば憂いなし
その日のソロフライトは天候も良く順調に演目をこなしていたハズだった
まずは軽くロール系からエルロンロールにバレルロール
よし次はループをやるかと思いやや機首を下げ機速をあげる
現代の戦闘機は機体重量よりも推力が上回るためエネルギーを失いやすいループ系も軽々こなすがT-1だとある程度速度を付けてエネルギーを得なければループなど出来ない
速度計はぐんぐん上がる、開始速度は320ノット
速度計は車の速度計のように円盤の中の目盛りを針で指し示す以外に1ノット単位で示すドラムと言うのがある
100ノット単位は速度計の針を参考にしてそれ以下はドラムを見て判断する
ドラムはクルクル回りやがて20を指示した
よし今だ
スッティックをグイと引き機種を持ち上げる
ふいにドドドとスティックから振動が伝わってきた
失速に陥るのは速度が足りない時だけではない、高速でも迎え角が大きくなりすぎて翼を流れる空気に対して迎え角が大きくなりすぎることで剥離が起き失速することもある
高速失速というやつだ