村上司令
航空学生に入隊した当時の航空学生隊司令は村上英士一佐だった。
陸士(陸軍士官学校)出身で自衛隊草創期から活躍しており、俺が入隊したときには定年まで3年といったところであった。
司令は俺と同郷であり色々と気がけてもらったこともありとても思い出深い人だ。
風貌は隣県出身の南洲候もかくありと思わせる風貌で実に豪快な雰囲気を漂わせていた。
隊司令ともなると普段は見かける機会もほとんどないのだが
ある日通路でぱったり出会ったときには
「おう〇〇(俺の名前)か、元気でやってるか?」
「はい、元気でやっています」
「そうかそうか、よかよかイワシとから芋を食っとけば健康になる、わはは」
といった感じの声掛けをされたものだ
供の幹部たちはあっけにとられた顔をしていたものだが
自衛隊の内部の者にはわかると思うが当時の陸士出身者と言えば、現在の防衛大学出身者。それも上位成績を残したものと同等の立場にある事は理解できると思う。
ましてや村上一佐は沖縄返還後新たに臨時第83航空隊が配備されたときの最初の隊司令を務めたほどの人物で本来なら空幕付きで悠々と退職をまつ状況にあってもおかしくない人だ
さらに言えば一佐という階級は不当は程の低い階位に置かれていると言ってもいいだろう
もちろんそれには理由がある
もうこの話を知っているものは殆どいないだろう
それは是非書いておきたいと思う