ブルー初の人身事故

浜松の航空ショーでブルーインパルス初の死亡事故が起きた時に私はすでに自衛隊を辞めていて人づてに知ることになった

そして殉職者が高島二尉(浜松時)だと知って少なからぬショックを受けた

高島二尉は私が浜松にいた時に教官として在籍していらしたがとても学生から慕われていた

出身県が同じで私が憧れ受験に失敗した高校の出身者であった

今では死語となってしまったがバンカラ言った雰囲気を身に着けた人で学生の兄貴分といった存在だったのかもしれない

訓練を終えてブリーフィング室の前を通ると教官の中で一人だけ何人かの学生と楽しく談笑する声を聞くことが何度もあった

1度だけ私たちの隊の教官が足りない時に同乗してもらったことが有ったが、まあ劣等生の私のことである。散々に怒られて終わったのはおまけの話

 

事故後しばらくしてある話が関係者の間でささやかれた

墜落地点はホンダの車両置き場だが高島二尉は民間人に被害を与えないように自らそこに落ちたのではないかと

もちろん根拠はある

本来のコースは滑走路に沿って飛ぶが、墜落地点の車両置き場はその軸線からずれている

墜落地点がホンダの車両置き場だったおかげで数人のけが人は出たが民間人に死亡者が出る事はなかったのだ

脱出装置を使えば自らは生きることができたであろうが、脱出することなく本来のコースから外れた落ちたことを合わせて考えれば理解できる話だ