戦闘機パイロットのジレンマ
現代の航空戦は2機がペアを組んで1つのユニットとして行動するのが基本となっている
これは第2次世界大戦でドイツ空軍が編み出したロッテ戦法が基になっている
そして機動の判断は編隊リーダーが行い僚機(ウイングマン)はその判断に従うことになる
リーダーの判断は絶対でありウィングマンがその判断に反した行動を行うことは許されない
だからと言ってウィングマンに判断力が無いわけではない
そこにジレンマが生じることが有る
例えば山岳上空で飛行中に降下しこのままだと山にぶつかもしれないとウィングマンが思ったらどうするのか
このままリーダーの判断に従ってぶつかるか自分だけ回避するのかという事になる
そこでウィングマンが自分の判断で回避したとしてリーダーが山にぶつかったとすれば好判断となる
しかし何の問題もなく通過すればリーダーの判断に逆らったという事になり、それこそクビである
戦闘が起こればそんな状況はいくらでも出てくるだろうが、これは解決することの出来ない永遠のジレンマである
何故こんなことを書いたかというと雫石事件という航空自衛隊史上に残る事件に関わる事で
ある日突然に基地内の一つの隊舎への接近を禁じられたことで思い知らされることになったからだ